1. 「最低賃金制の廃止」だなんて、とんでもない!
女性弁護士の法律コラム

 
(女性弁護士の法律コラム NO.126)
 
日本維新の会の公約は、どれも私の考えとは相容れないものばかりだが、「最低賃金制の廃止」まで公約に掲げるとは驚いた(2012年12月1日付け朝日新聞)。
 
最低賃金制というのは、最低賃金法という法律によって定められたもので、労働者が低い賃金で働かされるのを防ぐため、一定額以下の賃金で労働者を働かせてはならないことを強制したものである。
同法1条は、「この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もって、労働者の生活の安定、労働者の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする」と定める。
 
最低賃金額は、毎年、都道府県別に定められるが、決して高いものではない。
現在、最も高いのが東京都の時給850円で、京都は759円、一番低いのは島根県と高知県の652円である。
 
最低賃金制がなくなれば、賃下げに歯止めをかけるものがなくなり、労働者が際限なく低い賃金で働かされ、苦しい生活を強いられることは明らか。まさに奴隷状態である。
 
維新の会の本質がどこにあるか、しっかり見抜かなければいけない。

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