1. 坂本福子弁護士逝去  ご冥福をお祈りします。
女性弁護士の法律コラム

 
(女性弁護士の法律コラム NO.128)
 
新年早々、悲しい知らせが届いた。
女性弁護士の草分け的存在のお一人、東京の坂本福子弁護士が1月12日亡くなられた。80歳。
 
坂本弁護士は、数々の男女差別の裁判に取り組まれ、女性の権利を切り開いて来られた。
結婚退職制、男女差別定年制、男女賃金差別などなど・・・・書籍などで判例紹介されている男女差別事件のほとんどを手がけて来られたと言っても過言ではない。
「女」というだけで「男」と差をもうけることが平然とまかりとおってきた時代に、当事者女性らと共に闘い、その信念は、長い弁護士人生の中で少しもゆらぐことはなかった。
体重が30キロもない痩せたその身体のどこにそんなパワーがあるのだろうと思ってしまう。
 
坂本弁護士が1982年に出版された「女性の権利」(法律文化社)は、私にとってはバイブルのような本で、女性の権利問題などの講演を依頼された時には、必ず繰り返し読み返した。
闘わないと道は開けない、そして闘えば必ず道は開ける・・・坂本弁護士はそう教えてくれた。
 
そんな坂本弁護士と、日本弁護士連合会の両性の平等委員会や自由法曹団の会議でご一緒し、議論したり、親しく話をさせていただいたことは、懐かしい思い出になっている。
 
男女雇用機会均等法ができて約30年。
社会は、あらゆる分野で男女平等が実現できているだろうか?
現在、女性を取り巻く状況は、より複雑となり、男女差別も見えにくいものとなっている。
坂本弁護士は、きっと、真の男女平等が実現するまで「闘わなきゃあダメよ」と仰っているはず。
 
ご冥福をお祈りします。
 
 
 
 
 

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