(女性弁護士の法律コラム NO.141)
2013年8月30日、コンビニエンスストア最大手「セブンーイレブン・ジャパン」から、販売期限の迫った食品を値引きする「見切り販売」を妨害されたとして、加盟店主4人が計約1億4000万円の損害賠償を求めた判決で、東京高裁は、計約1100万円の支払いを命じました(毎日新聞)。
公正取引委員会は、2002年に「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」という指針で、値引きの制限を禁止しています。
そして、公取委は、値引きを認めなかったセブンーイレブンに対し、2009年6月、妨害を禁じる排除措置命令を出していました。
セブンーイレブンは、表向きは「加盟店の判断」としているとのことですが、実際には、本部への報告や相談義務があり、値引きが行いずらい状況になっていたようです。
実際、公取委が排除措置命令を出してからの4年余りの間で、見切り販売を実施しているコンビニは、セブンーイレブンでは加盟店舗の1%にも満たない状況です。
判決は、「店主は社員から『見切り販売したら店は続けられない』などと言われて取りやめを余儀なくされており、事実上、強制的な妨害があった」と認定しました。
いわゆるコンビニ会計という、売れ残りによる商品廃棄や万引きによる損害は、その大半を加盟店がかぶる処理方法が問題です。
更に、日本では、世界の食糧援助量の3倍以上、年間2000万トン近い食品廃棄物が生み出されています。
コンビニでは、1店あたり年間20~30トンが廃棄されているとも言われます。
「24時間営業」でも、弁当などの食品に「賞味期限」がある以上、「見切り販売」はあってしかるべきです。
他方で「餓死」事件が後を絶たないこの日本で、大量の食品を廃棄するなど、とんでもない話です。
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