(女性弁護士の法律コラム NO.151)
私が弁護士になって約30数年の間には、いくつかの女性労働者の権利に関する裁判に関わることができた。
弁護士というのは「こんな裁判をやってみたいなあ」と思っても、闘う事件と当事者との出会いがなければ裁判をすることができない。
その意味で、今から振り返ると、私は幸せだったと思う。
そんな、これまで関わってきた女性労働者の権利に関する裁判の中で、弁護士になって最初に関わったのが、保育園に勤務していたI保母の雇止め事件だった。
期限付き雇用で労働者を雇い入れ、更新を繰り返したあげく、いらなくなると雇止め。
そんなやり方は当時から横行していたが、何回も契約更新された事案については、裁判上、救済されるケースも少なくなかった。
ところが、I保母は、期限付き雇用の1回目の更新時に更新が拒否された。
前例のない裁判だった。
裁判が始まった1986年当時、私は弁護士4年目。
弁護団を組み、1989年4月に京都地裁で得た判決は、I保母全面勝訴。
合理的理由のない期限は無効であるという画期的な判決だった。
そして大阪高裁で和解解決。
あれから24年。
先週、24年ぶりに、Iさん、当時、福祉保育労働組合として支援してくれていたKさん、そして弁護団のうち女性弁護士3人が集い、「ロカンダきだや」という町屋のイタリアンレストランで「女子会」を行った。
皆、平等に、24年という歳月が流れ、それぞれ山あり谷ありの人生を送ってきたが、それでも、弁護団会議でケンケンガクガクの議論をしたことや様々なエピソードなど、どこまで正確かは誰もさだかではないが、それなりによみがえってきた。
おいしい豆料理の話にも花が咲き、これからもこういう機会を持つことができそうな予感がしている。
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