(女性弁護士の法律コラム NO.156)
支持率が低下しないことをいいことに、安倍首相がアベノミクスの「成果」や「積極的平和主義」、沖縄の基地問題など、とうとうと持論を展開する報道が不愉快きわまりない。
その上、安倍首相の息がかかった、NHK籾井会長の従軍慰安婦発言、NHK経営委員である長谷川三千子氏の女性蔑視発言など、そのとりまき連中の人権無視の発言にも腹が立つ。
この今の時代が、今後将来起こるかもしれない「戦争」の前=「戦前」の姿かも?と思うと、こんなこと絶対に許しちゃいけないと思う。
そしてまた、安倍路線を受けて発表されたのが、昨日(1月29日)の労働政策審議会の部会の報告書。
労働者派遣法の改正について議論してきた労政審は、現在3年となっている派遣受け入れ期間の上限を廃止し、3年ごとに働く人を入れ替えさえすれば、企業は同じ職場で派遣を無期限に継続できるとした報告書をまとめた。
2015年4月の実施をめざすという。
2008年秋のリーマンショックを機に起こった大量の「派遣切り」や「雇い止め」。
「派遣村」が社会問題化した。
そして、民主党政権の下で、不十分ながら、日雇派遣の規制や違法派遣の「みなし雇用」の改正が実現したのが2012年3月。
派遣労働は、働く企業に直接雇用されるものではないため、あくまで一時的な仕事に限られるというのが法の大原則だったものを、この報告書は、企業は人さえ代えれば永久に派遣労働者を使うことができるというように転換するもので、これでは、今後ますます不安定な労働者が増加していくことは目に見えている。
そして、一人ひとりの派遣労働者は、3年たてばポイ捨て。
働いている間は、「雇い止め」を怖れ、自分の権利も主張できない。
こんな改悪は、絶対に認められない。
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