(女性弁護士の法律コラム NO.159)
日本が攻撃を受けなくても、同盟国などが攻撃を受ければ反撃できるとする集団的自衛権。
その行使容認に向けて、安倍首相は、2月12日の衆議院予算委員会で、次の発言をしました。
「(政府の)最高の責任者は私だ。政府の答弁に私が責任をもって、そのうえで選挙で審判を受ける」
なにか、自分が君主にでもなったかのような発言です。
そもそも憲法は、個人の権利や自由を保障するため、首相はもとより国家権力を制限し拘束するものです(憲法前文、99条)。それが立憲主義の考え方です。
たとえ選挙で多数を取った政権でも、その都度、憲法の解釈を自由に変えることはできないのです。
どうしても変えたければ、憲法96条に定められた正当な改正手続きをふむしかないのです。
このような暴走発言に対し、日本国内よりは、海外の方が鋭く反応しています。
最近のNHK会長や経営委員の問題発言についても、日本国内より海外の方が敏感なのがとても気になります。
国民の多くは、なぜ怒らないのでしょうか?
メディアももっと取り上げるべきです。
「戦争前夜」というのは、このような状態なのか、と不安になります。
他方、全国の弁護士有志でつくる「明日の自由をっまもる若手弁護士の会」は、2月14日のバレンタインデーに合わせ、安倍首相に、憲法学の権威である芦部信喜東大名誉教授の著書「憲法」とチョコレートを贈ったそうです。
さすが若者!なかなかウイットに富んでますね!
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