(女性弁護士の法律コラム NO.160)
一昨年11月から改修工事が進められている宇治平等院の鳳凰堂。
4月3日から内部拝観が再開されるとのこと。
この鳳凰堂中堂の屋根南北両端に据えられている「鳳凰」像。
1万円札の裏にもそれが図柄となっている。
この「鳳凰」像が修復により、約900年前の金色の輝きを取り戻し、報道関係者に公開されたという(2014年2月25日付け京都新聞朝刊)。
平等院鳳凰堂の屋根の上の「鳳凰」像が、実はレプリカだったということは、ある裁判を担当する中で初めて知った(本物は、平等院ミュージアムに保管されている)。
ある裁判というのは、以前にもブログに書いたことがある(2013年2月25日付けブログ)宇治ユニチカ工場のCS2裁判だ。
この裁判は、宇治ユニチカ工場で働いていた労働者が工場内のCS2により、重篤な健康障害を起こし、労災認定を受け、その後、ユニチカ相手に損害賠償請求訴訟を起こしたというもの。
ユニチカの排ガスは、工場内の労働者はもとより、宇治の街中にも排出され、1968年「鳳凰」像はレプリカに変えられたということを知った。
レプリカは再生できても、失ったいのちや健康は二度と戻らない。
平等院の「鳳凰」像は、私にとって宇治ユニチカCS2裁判の象徴であり、必ず原告労働者の皆さんの姿を思い出させる物である。
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