1. おなかいっぱい食べたい~子どもの貧困~(クローズアップ現代)
女性弁護士の法律コラム

 
(女性弁護士の法律コラム NO.181)
 
昨夜(9月25日)のNHKクローズアップ現代のテーマは、「おなかいっぱい食べたい~緊急調査・子どもの貧困~」だった。
 
実は、11月に学校給食費の未納・滞納問題についての講演を依頼されている。
ずっーと、どんな話をしようかと思案を重ねているところであるが、この問題を語る場合には、現在の日本社会における貧困問題には必ず触れないといけないと思っていた。
その意味でも、昨夜の番組はとても参考になった。
 
7月に発表された厚生労働省の調査では、相対的貧困状態にある子どもの割合は、6人に1人と過去最悪の値となった。
番組では、貧困問題に取り組むNPOと新潟県立大学とが共同で、支援世帯の調査を実施したところ、「子ども一人当たりの食費が一日329円」で、ほとんど主食のみの家庭が8割以上あったという。
子どもの成長に必要な栄養が取れないほどにまで食費が圧迫されている実態がある。
 
食の貧困は、子どもの身体の健康だけでなく、自己肯定感を喪失させ、友達が作れないあるいは不登校になるなど学校生活や日常生活にも大きな影響を及ぼす。
 
そんな中で、小中学校の給食費を無料化した栃木県大田原市のとりくみや、東京都豊島区のNPO法人の地域の子向け食堂のとりくみは、注目される。
 
国は、今年1月に子どもの貧困対策推進法を策定したが、食に対する具体策はない。
国としては、緊急に、食に対する踏み込んだ政策を提言してほしい。

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