1. テレビで対決!「残業代ゼロ」法案めぐって、佐々木弁護士vs八代教授
女性弁護士の法律コラム

 
(女性弁護士の法律コラム NO.196)
 
安倍政権は、「高度プロフェッショナル制度」と名付けた労働時間の適用除外制度を新たに設ける労働基準法の改悪案を今国会に提出しようとしています。
これは、年収1075万円以上の人を対象に、労働時間にかかわらず賃金を定額にするというもので、労働者からは大きな反対の声が上がっています。
 
この制度は「成果に応じて働く」などと宣伝されていますが、現行労基法が定めている労働時間規制を全く取り払ってしまう、正に「残業代ゼロ」法案、「過労死促進法案」にほかなりません。
 
昨夜は、この制度をめぐって、BS11の「報道ライブ21 INsideOUT」という番組で、反対派の日本労働弁護団の佐々木亮弁護士(東京・旬報法律事務所)と推進派の八代尚宏国勢基督教大学教授との1対1での公開討論が放映されました。
 
佐々木弁護士も指摘していましたが、
この制度が適用されるには、
①労働者に一定時間以上の休息時間を与える
②一定時間を超えない健康管理時間を定める
③4週間を通じ4日以上かつ1年間を通じ104日以上の休日を与える
上記3つの要件のうち「いずれかの措置」を取ればいい、要するに1個やればOKなんです。
しかも、①②については、法律でなく、省令で定めるという内容ですし、③の「1年を通じ104日以上の休日」というのは、祝日・盆・年末年始も関係なく、週休2日程度で働くということなんですね。
 
テレビ討論は、明らかに佐々木弁護士が八代教授を圧倒していました。
八代教授の主張は、労働現場の実態、労働者が置かれている実態を全く知らないとしか言いようがありませんでした。
 
それにしても、八代教授の主張を、具体的な数字や事実を含め、とっさに反論する佐々木弁護士は、見事でした。
 
こんな制度は、絶対に導入させてはいけません。
 
 
 

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