1. 元最高裁長官も「集団的自衛権行使を認める立法は違憲」
女性弁護士の法律コラム

 
(女性弁護士の法律コラム NO.207)
 
とうとう、元最高裁長官の口からも、安保法案は「違憲」の発言がなされた。
 
元最高裁長官山口繁氏は、8月3日、共同通信の取材に応じ、安保法案について「集団的自衛権の行使を認める立法は憲法違反と言わざるを得ない」と述べた(2015年9月4日付け京都新聞朝刊)。
山口氏は、1997年10月から約5年間、最高裁長官を務めた。
 
政府や与党が1959年の砂川事件最高裁判決を法案の合憲性の根拠として持ち出していることから、私は、最高裁判事経験者は、このような政府の見解をどのように思っているのだろう、元裁判官は誰も発言しないのだろうか、などとずっと思っていた。
多数の憲法学者が「違憲」と指摘されていることについて、高村自民党副総裁は「憲法の番人は最高裁であり、憲法学者ではない」と強調した。
しかし、ここに来て、その「憲法の番人」である最高裁の元長官が初めて意見を表明した。
画期的なことだし、それほどまでに現在の政府や与党のやり方が無茶苦茶だということの現れだ。
 
山口氏は、砂川判決に関し、当時の時代背景を踏まえ「集団的自衛権を意識して判決が書かれたとは到底考えられない。憲法で、集団的自衛権、個別的自衛権の行使が認められるかを判断する必要もなかった」と語った。
 
更に、
従来の解釈を変えるなら「憲法を改正するのが正攻法」
こうした憲法解釈変更が認められるなら「立憲主義や法治主義が揺らぐ」
などとも述べた。
 
政府・与党の独裁政治に、多くの人が声を上げ始めている。
安保法案が廃案しかないことは明らかだ。
 
 
 

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