(女性弁護士の法律コラム NO.227)
政治家の使う言葉には、時々、「エッ?」と思ってしまうことがある。
現在、渦中の人である舛添要一東京都知事の政治資金疑惑の中での発言もしかり。
記者会見で、「第三者」という言葉を40回も使ったらしい。
そして、その「第三者」というのは、舛添さんが依頼した元検事出身の弁護士。
彼らは、部分的には「違法ではないが不適切」と言っていたが、舛添さんに対する都民の不信感はぬぐえていない。
「第三者」というのは、当事者以外の独立した人のことを言う。
離婚相談の際、相談者から、時々「先生が、第三者として、私たち夫婦の間に入ってもらえませんか?」と言われることがある。
でも、私たち弁護士がその相談者から依頼を受ければ、その依頼者の代理人であって、第三者ではない。
「あくまで、あなたの代理人なんですよ」と申し上げる。
第三者に入ってほしければ、家裁の調停に申し立てるのが専門的な知識もあるので良いと思う。
さて、冒頭の舛添さんが依頼した「第三者」の弁護士。
舛添さんが金を払って頼んだ弁護士。舛添さんと十分「打合せ」をして記者会見しているんだもの、これは、誰がどう考えても「第三者」じゃないよね。
「第三者」という言葉の使い方が明らかに誤っている。
ちなみに、日本弁護士連合会は、2010年7月に「企業等の不祥事における第三者ガイドライン」を発表し、法人などの「内部調査委員会」と区別している。
※興味がある方は、公表されているので、検索してみてください。
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