「過労死」の労災認定の基準でもある、脳・心臓疾患の労災認定基準が、20年ぶりに改定されました。
2021年9月15日から運用が開始されます。
これまでの基準では、業務の過重性の評価について
①発症前1ヶ月間に100時間または2~6ヶ月平均で月80時間を超える時間外労働は発症との関連性は強い
②月45時間を超えて長くなるほど、関連性は強まる
③発症前1~6ヶ月平均で月45時間以内の時間外労働は、発症との関連性は弱い
とされていました。
これが、いわゆる「過労死ライン」と呼ばれるものです。
今回の改正では、上記の従来の基準は維持しつつ、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化しました。
具体的には、不規則な勤務として退社から出社までの時間の短さや、休日のない連続勤務、激しい肉体労働などを新たな評価対象に加えました。
従来の基準でも、勤務形態や作業環境などを加味するよう定められていましたが、実際には、労働時間のみで判断されやすい傾向がありました。
そもそも「80時間」という過労死ラインが高すぎると思いますが、「総合評価」の明確化は当然のことで、前進と言えるでしょう。