2023年8月31日に、百貨店のそごう・西武の労働組合が池袋本店でストライキを実施したことは大きなニュースとして報道されました。
国内の百貨店では実に61年ぶりとのこと。親会社のセブン&アイホールディングスによる外資ファンドへの売却に対し、従業員の雇用の維持を求めてのストライキでした。
ストライキ(同盟罷業)とは、労働者が事業主に対し、労働条件の改善などを求めて、集団で仕事をしないことを言います。これは、憲法28条で労働者に認められている権利です。
憲法上の権利で、労働組合法にも定めがあり、業務の停止によって損害が生じても、労働組合や労働者が責任を負うことはありません。
私が子どもの頃は、毎年春闘の時期になると、旧国鉄(今のJR)の労働組合が全国的にストライキを行っていましたし、弁護士になった頃も、京都のタクシーの労働組合がストライキをしているところへ応援に駆けつけたこともありました。
しかし、労使協調路線が進み、次第にストライキは減少し、2001年以降は年間100件を下回るそうです。
ところで、このストライキという言葉は、英語の「ストライク」で、これは「打つ」という意味のほか、旗などを「降ろす」様子も表すそうで、18世紀、イギリスの港で船乗りたちが帆を次々と降ろし賃金の不満を訴えたことが語源のようです(9月5日付け京都新聞「凡語」より)。
そごう・西武の労働組合のストライキによって、国民の多くの眼が今後の成り行きを注目しています。労働者の雇用が守られる解決を図ってもらいたいものです。