昨日(2012年3月30日)、大津地裁に再審申立をした。 今度こそ、正しい判決を、という願いを込めて、申立書を提出してきた。
この事件は、ちょうどこのホームページを立ち上げた最初に取り上げた大津地裁「決定」に対するいわゆる異議を申し立てていた事件(即時抗告審)と同じ事件で、昨年(3月18日)阪原さんが亡くなり、それを理由に大阪高裁が事件を終了させてしまったことから、今回再度の申立となった。 今回は、遺族による申立ではあるが、実質的には継続していると考えている。※
ところで、再審請求をするには、「無罪(中略)を言い渡」すべき「明らかな証拠」を「新たに発見した」ことが必要とされる(刑訴法435条6号)。
しかし、今回の申立は、前回の申立について、裁判所は何の判断もしないまま終了させてしまっているので、これまで「新証拠」として提出してきていた証拠は、全て「新証拠」になる。この意味でも、前回の請求が実質的に継続していることとなろう。(大津地裁のあまりにお粗末な決定は確定していない)。
改めて、申立書を読み返すと、随分と弁護団の到達点が進化してきたことを実感する。それは、布川事件や足利事件等の成果が盛り込まれていることもある。いろんな研究者の方の英知も取り入れられている。これまでは何となく曖昧にしたままにしてきていた論点についても、克服できていると思う。しかし、そうは言っても、客観的な証拠とことごとく食い違っていても「自白の根幹部分は信用できる」となんらの根拠もなく決めつけられてきたこれまでの流れも無視できない。
それでも、犯罪者の汚名を着せられたまま、無念の内に亡くなった阪原さんに、1日も早い無罪の報告ができるよう、今度こそ裁判所に正しい判断をさせなければならない。
引き続き、ご支援をお願い致します。
※ この事件は、滋賀県日野町で起こった、1984年12月28日夜8時頃を最後に消息が分からなくなってしまった酒屋の店主が殺害された強盗殺人事件。事件発生から3年後に阪原さんが犯人に間違われ、誤った裁判の結果無期懲役が確定してしまっていた。 阪原さんは、昨年、病気のため亡くなった。