逮捕されたり、勾留されたりした場合、留置施設等に閉じ込められてしまう。 それでも、普通は誰でも会うこと(接見)ができる。 ところが、とにかく孤独にして自白をとりたいという捜査官は、すぐに「接見禁止」を求め、裁判官がこれまたすぐに認めてしまう。 困ったものだ。 身体拘束中に外の世界との連絡が取れないことがどれだけ人を圧迫するのか、全然わかっていない。
そんなときでも、弁護人は会うことができる。 それも、一般の接見と異なり、立会人はない。
そんなとき、「職員からこづかれてけがをした」と訴えられたらどうするか。 けがは時間とともに治ってしまう。 そうかといって、留置所内で「証拠保全」なんてそう簡単にはできない。
そんなときは、ためらわず写真を撮って、私的に「証拠」を「保全」する必要がある。
ところが、とりわけ、拘置所は、写真撮影を禁止、といって圧力をかけてくるケースが目立ってきた。 福岡で軟禁された弁護人のケースもあるが、東京では、写真撮影をしたというだけで弁護士会に対し「懲戒請求」をしてきた。 岐阜でも問題になっている。
国家機関(拘置所)が、懲戒請求なんかしていいのか、という問題はさておき(これはこれで大問題)、写真撮影がなぜ問題なのか。
拘置所側は、個人(被疑者ら)のプライバシーなども理由の一つにしていたが、こんなのは当然同意の上でやってるんだから問題にならない。 根強くいうのが、施設管理権、写真撮影により逃亡の恐れが生じるらしい。 正直「何を馬鹿なことを!」という気がするが、理屈の上ではそれくらいしかないのだろう。 ただ、そんな理由で制約の根拠となるとは思われない。 弁護活動として必要がある場合には、拘置所からなんといわれても譲れない。 そういう場面には遭遇したくはないが・・・