1. 2015年1月

2015年1月アーカイブ

高速逆走に暴行罪

高速道路を逆走するケースが増えているそうです。 2011年から13年の3年間で確認できただけでも541件になるということです。 当然重大な事故につながることもあります。 そのうち、約7割は65歳以上の高齢者で、4割近くが認知症が疑われるということです。

 去年も、11月末までに207件ということで、そのうち約1割で人身事故が発生しています。

 本人だけではなく、というよりむしろ周りの安全のためにも運転免許の返納をするべきなのでしょう。実際問題、認知症という自覚がない場合には難しいのでしょうが、制度的な対処も必要なのかもしれません。
 ただ、多くの逆走は「過失」によるものだろうとは思うのですが、意図的なもののも1~2割は見られるということのようです。 ぼーっとしていて出るべきインターを見落とした、というようなケースが報告されています。
 このような場合、分かっていて敢えて逆走をするわけですから、かなり悪質です。 そこで、そのような「悪質」という事情も考慮してか、昨年9月に起こった兵庫のケースでは、道交法違反に止まらず、暴行罪の容疑で送致されたものと思われます。
 このケースでは、たまたま人身事故にはならなかったものの、接触事故を起こしており、接触されたドライバーに衝突を避けるため急ハンドル等の回避措置をとらせたことが、暴行容疑とされたようです。
 一歩間違えれば、複数の命を奪うことにもなるわけですから厳しく対処されてもやむを得ないのでしょう。 この方向で行くと、もし人身事故を起こしてしまった場合には、傷害罪、傷害致死罪、場合によっては殺人罪が適用されることもありうるということです。 
 道路標識を見落として結果として逆送してしまうことは誰しも経験があることではないかと思うのですが、とりわけ高速道路では重大な事故に直結しやすいこともあり、慎重の上にも慎重に走行する必要があります。 それとともに、道路の管理者としては、誤りが生じないような措置をとることが不可欠でしょう。 特に間違いが生じやすいようなSAやPAでは、ゲートを設置するなどの措置も必要なのかもしれません。 

「受刑者 手錠を外して出産へ」

12月30日の東京新聞のニュース「受刑者 手錠外し出産へ」というのがあった。

 といことは、これまでは、収監されている人が妊娠をしており出産をするときには、手錠をしたままの状態だったということなのか。 記事によると、これまでは、片手に手錠をしその手錠に付けた縄を刑務官が持っていた、ということで、医師の指示により外すこともあったという。
 逃亡のおそれを過剰なまでに危惧して身体拘束をする今の司法の発想からすると、そうだったんだやっぱり、、、、というところだが、なんと異常な制度なのだろうか、とあきれてしまう。
 出産は、母子の生命の危険さえも生じかねない場面であり、逃亡どころ騒ぎではないであろう。 刑務官がついているのであれば、分娩室の外で待っているだけで、仮に逃亡を図ろうとしても対処できそうな気がする。そもそも、分娩室に入っているということはまさに出産の直前(数時間から数日かかることはあるとしても)であり、そんな出産直前や出産直後に「逃亡」などの行動がとれる状態であるとは考えられない。 まぁ、可能性はゼロではないのだろうが、そんなおおよそ考えられないような低い可能性のために、手錠をはめたままの出産を強いられるとはなんとおそろしいことか。
 これを機に運用が変更されるようであるが、遅きに失したとしか思えない。
 こんなことをしていて、本当に「更生」につながると考えているのだろうか。 それとも、今の受刑には、本人の更生や再社会化は、発想にないのだろうか。 なんと悲しい社会であることか。

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