1. 相続の順番(順位)
岡根弁護士のぼやき論壇

相続の順番(順位)

相続は、財産のある人にしか問題になりません。ただし、財産と言っても、プラスの財産もあれば、マイナスの財産もあります。要するに、借金も相続の対象ですから、相続放棄の手続きをせずに、ぼんやりしていたら、負債だけ残った!ということにならないように注意する必要があります。

 

 プラスかマイナスかはともかくとして、誰が相続人になるのか、これは、相続の基礎ですから、知っておいて損はないと思います。

 相続人として、名前があがっているのは、配偶者、子、直系尊属(普通は親です)、兄弟姉妹(「けいていしまい」と読むようです)です(民法887、889条)。

 このうち、配偶者は常に相続人になりますが、子、親、兄弟姉妹は、順番があり、子どもがいれば、親や兄弟姉妹は相続人にはなれません。被相続人に、子どもがいない場合に親が相続人になり、両親や祖父母などがいない場合にはじめて兄弟姉妹が相続人になります。

 子どもは、被相続人の死亡時に胎児であっても生きて生まれれば相続人です(886条)。

 この相続の順番は、配偶者の相続割合に影響します。

 子どもがいる場合は、配偶者と子どもは2分の1ずつで、子どもが複数いる場合には、子どもどうしの間は平等なので2分の1を子どもの頭数で割った割合になります。

 子どもがいなくて、親が相続人になるときは、配偶者は3分の2で、親は3分の1です。両親健在の場合は、半分ずつですから6分の1ずつとなります。

 子も親(その他の直系尊属も含めて)もいない場合で、兄弟姉妹が相続人になる場合には、配偶者は4分の3、兄弟姉妹は4分の1です。複数いれば、頭割りになるのは、子や親の場合と同じです。

 配偶者は、日本の法律の下では、1人しかいませんから、頭割りになることはありません。当たり前ですけど・・・

 また、子どもが相続人の場合、非嫡出子(結婚していないときに生まれた子ども)の相続分が嫡出子の半分となってしまっています。これは、合理的な根拠の全くない規定ですので、早急に改正されることが必要です。私としては、非嫡出子差別は違憲だと思っています。

 

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