経済産業省原子力安全・保安院は、大飯原発安全評価を「妥当」と判断したとのニュースを目にした。
「何だそれ?」 である。
「妥当」を辞書で引くと、「物事の実情などによくあてはまっていること。考え方や処理の仕方に無理なところがなく適切であること。また、そのさま。」と記載されている。
ところが、これを「経済産業省原子力安全・保安院」が使うと、全く別の意味になっているようだ。とても「無理なところがなく適切」とは言い得ない。
福島原発の事故について、未だその原因は解明されていない。津波、津波と繰り返しているが、専門家に聞けば、地震そのものによって壊れた部分もあると判断せざるを得ない現象が見られるといわれる。どんな風に壊れて、今どのようになっているのだろうか。お抱えのニセ「専門家」ではなく、開かれた場で検討すべきだろう。
しかし、政府、東電、安全・保安院などは、その肝心な点については情報を明らかにしない。今回の意見聴取会では、「透明性」といいながら、傍聴も排除した。
ひた隠しに隠し続けて、「安全」だとか、その安全評価が「妥当」だとか表明したとしても、どうして信じられるのだろう。本当に「安全」だとするのであれば、その判断をした情報を万が一の際には被害を被る(現実に今福島原発事故では幾多の人が有形無形の被害を被っている)人たちになぜ明らかにできないのか。
原発再稼働先にありきのまさにやらせとしか言いようのない「妥当」表明は、日本という国土に住む人々をあまりに馬鹿にする態度ではなかろうか。
ところで、関西電力の評価書では、「津波は、想定より4倍の11.4メートルの高さのものに見舞われても炉心損傷しないとした。」とある。ということは、関西電力は、想定する津波の高さを「2.85メートル(以下)」としていたということがわかる。数年前の新潟沖地震の時でも5メートルを超える津波が観測されている。とんでもない「想定外」の想定としか言いようがない。