福岡でのことですが、拘置所で、弁護士が軟禁(監禁)されるという事件が起きています。
勾留されている人から、拘置所職員に暴力をふるわれて怪我をしたので接見に来て欲しい、という要請を受け、弁護人が駆けつけたところ、顔に傷が残っていたので、証拠を残すために弁護人はその傷を携帯電話の写真で撮影しました。 ところが、それを、のぞき窓から見ていた職員が見つけ、その画像を消すように迫ったのです。
断った弁護人を、拘置所のある部屋に連れて行って、中から南京錠で鍵をしました。画像を消すまで帰さないという姿勢を明らかにしたのです。 時間も遅くなって、おそらく次の予定にも差し支えがあったのでしょう。 最後は、画像を消去してようやく帰ることができたようです。 もしそのとき最後まで消去を拒んだらどうなっていたのでしょう。
弁護人としては、身柄を拘束されている人の利益のための行動が求められています。 拘置所職員から暴行を受けたとの訴えがあれば、その証拠を残す努力をすることは、当然の行動ですし、写真撮影は当たり前です。
そもそも、弁護人との接見をのぞき窓から監視すること自体問題です。
拘置所側は、暴れたのを取り押さえた正当な行動だと開き直っているようです。反対に、施設内での写真撮影は認められない、と言い張っています。
写真撮影については、京都でも問題になったことがあります。 私たちとしては、そんなことを禁じられるいわれはない、と主張しています。 上記のような事案で、証拠を残せない、ということになれば、問題だと思いませんか。
拘置所として、正当なことをやっているのであれば、そんな写真が出てきたって問題がないはずです。 それを、南京錠をかけてまで監禁をして画像消去を求めるというのは、どう考えても正当なことではないでしょう。