1. 刑事訴訟法改正(司法取引)
岡根弁護士のぼやき論壇

刑事訴訟法改正(司法取引)

刑法や民法等、いろいろ改正される中で、刑事訴訟法も改正され証拠収集の新しい手段が作られた。

作られてしまった、といった方が感覚には合う。
この間、秘密保護法や共謀罪、戦争法というような、憲法に反する法律が作られたり改正されたりしている。今度の選挙(22日)では、こんな違憲な法律は撤廃できるような議員を選ばなければ本当に日本はとんでもないことになる。 
刑訴法の改正も、憲法違反とまではいわないが、えん罪を拡大してしまう可能性が高くなるようなあってはならない改正だった。
 それが、来年6月2日までには施行される。
 どんな内容かというと、乱暴に言ってしまえば、他人の犯罪行為について捜査機関に情報を持ち込んで自分の犯罪での処分で得をしよう、というものである。 他人の犯罪の捜査に協力するから不起訴にしてね、といようなものである。 アメリカでの再審無罪となった事件を見返してみると、第三者供述がえん罪の一つの原因になっているという調査結果がある。 必ず「真実」を語るとは限らないからだ。
 改正の結果、その捜査協力について、弁護人も関与させられてしまうことになる。 弁護人のサインがないと司法取引が成立しないからだ。 弁護人の立場からすれば、「えん罪」の可能性には関与したくない。 しかし、弁護人は、被疑者等に対して誠実義務を負っている。 だから、被疑者が望めば、果たして、他人の「えん罪」の可能性(言わんとすることが真実かどうか現実には弁護人には検証はできない)があるからと、協力を拒否できるのだろうか。
 こんな問題のある法律を作り続ける自民公明が安定多数を占める国会の構成を大きく変えないと、ほんととんでもないことになる。 安倍政権はまさに「国難」、こんな分野にも悪影響が及んでいる。

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