協議離婚は、夫婦が離婚に合意し、離婚届に署名捺印のうえ役所に提出するというものです。
離婚に夫婦で合意し離婚届に署名捺印したけれど、離婚の条件(財産分与や親権など)でなかなか話がまとまらず、話し合いをしているうちに日にちが経ってしまった場合、その離婚届による離婚は有効でしょうか。
東京高裁平成21年7月16日判決の事案は、夫婦が離婚に合意し離婚届に署名捺印して、妻が離婚届を預かり、それから9ヶ月後に妻が離婚届を提出したところ、夫が離婚は無効だと主張して争ったというものでした。
この事案では、夫が離婚届を書いた時点で離婚意思を有し、離婚届の提出を妻に委ねており、届出までの9ヶ月間に夫が離婚を阻止しようとした事実はなかったとのことです。また、妻は、夫が定職に就いて生活状況が好転するかもしれないと思い、離婚届の提出を留保していたけれど、生活が改善しなかったため別居し、離婚届を提出したとのことです。
このような諸々の事情を考慮した上で、裁判所は離婚が有効であると判断しました。
離婚届の提出時点において妻も夫も離婚意思を有すると認められる場合には、離婚届提出が多少遅れたとしても離婚は有効となります。逆に、離婚届の提出までの間に、妻または夫が離婚の意思を喪失したという事情があるときは、届出時点で離婚意思を有しないということになりますから、離婚は無効となります。
新米が美味しい季節になりました。故郷では秋祭りが行われました。毎年、獅子舞が披露されます。最近は女の子も和太鼓を叩いたり獅子に入って舞ったりするそうです。時代の変化を感じます。