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アスベスト健康被害救済法による 特別遺族給付が認められました。

 今年(2009年)の2月に、当事務所のホームページをごらんになり、 労災に関する専門的な対応を希望され、当事務所の弁護士(弁護士佐藤 克昭)に相談をされた方の事案で、アスベスト健康被害救済法による特 別給付金の支給が認められました。  ご主人が、昭和30年代の後半から自動車の修理工場でブレーキパッ ド、ブレーキシューの交換などの自動車の修理全般の業務に従事され、 50歳頃から肺の病気で入退院を繰り返してこられ、平成12年に亡く なられたということでした。  奥様が、相談を考えたきっかけは、亡くなられたときの主治医の医師 から、「悪性胸膜中皮腫」により亡くなられたこと、「その診断は組織 病理学的に証明される」との文書を頂いたことでした。 そのことにより、ご主人の病気が、アスベストによるものではないか と考え、労災申請を考えられたのです。  亡くなられた時期が、平成12年ですので、死亡事案の労災申請の時 効期間5年を既に経過しており、労災申請をすることはできませんが、 石綿健康被害救済法による特別遺族給付金の申請が可能と考えられ、こ の申請を行いました。特別給付金の支給が認められますと特別遺族年金 として年額240万円が支給されます。  この方の事案では、主治医による石綿を原因とする中皮腫による死亡 であることは、認められますが、仕事によりアスベストに曝露(吸引) したことの裏付けを行うことが重要でした。幸いなことに、監督署の調 査によってもそれが裏付けられ、このたび特別遺族給付金の支給が決定 したものです。  肺ガン等で亡くなられている方や現在治療を受けられている方で、実 際には、20年近く前から一定期間アスベストを吸引するような仕事に 従事をしていた方については、再度主治医の方とよく相談をして、アス ベストによる発症ではないかということの検討をすることも必要ではな いかと強く思った事案です。  アスベストを吸引する可能性のある仕事としては、この方のような自 動車の修理関係、配管工、建築関係などがあげられますが、それだけに とどまらないこともありますので、医師と相談されて、アスベスト被害 の可能性がある場合には、労災申請や、本件のように時効が過ぎていて も、特別給付金の制度がありますので、ご相談をいただければと思いま す。   *アスベスト健康被害救済法による特別給付金の支給   アスベスト(石綿)は、建築材料、ビニール床タイル、ペイント塗  料、自動車のブレーキなどに使われてきました。 このアスベストを吸い込むことにより、非常に長い期間がたってか ら、中皮腫や肺ガン等になり死に至ることもあります。 アスベストを吸い込むような仕事をしていた時期が一定期間あって も、その発症までに非常に長い期間(20年から30年)が経過する こともあり、実際に亡くなられた場合でも、その原因が仕事により吸 い込んだアスベストによるものであることを明らかにすることが困難 なことと、そもそも、そうした仕事が原因であることの認識がないこ となどから、労災申請をすることもなく時効期間(5年)が経過して しまっているケースも少なくないようです。 こうした状況を踏まえて、平成20年6月17日に公布された石綿 健康被害救済法の改正により、石綿を原因とする中皮腫や肺ガン等に よって亡くなられた労働者の遺族の方について、平成24年3月27 日まで特別遺族給付金の請求ができます。                          (2009年8月)  



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