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米海兵隊は「抑止力」か(その1)
◆問題の核心は何か
米軍普天間飛行場の返還をめぐって鳩山政権は迷走につぐ迷走を重ね
ている。
その最大の原因は、海兵隊の「抑止力」論にしがみついていることに
ある。
普天間問題の核心は、海兵隊の抑止力をどう考えるか、すなわち日本
の平和にとって、海兵隊の沖縄駐留が必要不可欠といえるのかである。
◆海兵隊は「侵略力」である
海兵隊の総兵力は2010年2月時点で現役約18万7千人、予備役
約10万4千人である。
海兵隊には第1から第3まで3つの遠征軍がある。
「海兵遠征軍(Marine Expeditionary Force)」という名前が示すよ
うに、海兵隊は「遠くに征伐に行く軍隊」、すなわち米本土の防衛が任
務に含まれない常設の外征専門部隊である。
第1海兵遠征軍はカリフォルニア州キャンプ・ペンドルトン、第2海
兵遠征軍はノースカロライナ州キャンプ・レジューンといずれもアメリ
カ本国の東西両岸沿いに置かれているのに対し、第3遠征軍だけは唯一
常時海外に置かれ、有事即応体制が強化されている。
これが沖縄にいる第3海兵遠征軍(司令部はうるま市キャンプ・コー
トニー)である。
アメリカ海兵隊は、戦争の初期段階で先遣隊、突撃隊として海外派遣
される部隊として用いられてきた。米軍の勇猛果敢さを象徴する軍隊と
され、「殴り込み部隊」とも呼ばれている。
アメリカの海兵隊は歴史的に見て、防衛のための部隊というよりも明
らかな侵略部隊である。
太平洋戦争においてガダルカナル島、硫黄島、沖縄などの上陸作戦で
主体となったほか、その後もベトナム戦争、アフガン戦争、グレナダ侵
攻、湾岸戦争、イラク戦争などで常に最前線に投入されて先制攻撃を担
った部隊であり、その侵略的本質は「殴り込み部隊」という海兵隊の呼
称に端的に示されている。
海兵隊は、日本の防衛のために存在する部隊ではなく、アメリカが外
国を侵略するための部隊であって、「抑止力」どころか「侵略力」とい
うべき存在なのである。
弁護士 福 山 和 人
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