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米海兵隊は「抑止力」か(その6)
◆米軍も海兵隊の沖縄駐留にこだわっていない
1996年12月のSACO合意では、普天間飛行場の全面返還を含むK
施設、約5002ヘクタールの土地の返還が合意され、2006年5月
の「再編実施のための日米のロードマップ」では、約1万2千人の在沖
米海兵隊のうち約8000名の要員と、その家族約9000名は、部隊
の一体性を維持する形で2014年までに沖縄からグアムに移転するこ
とが合意された。
移転する部隊には、第3海兵遠征軍の司令部要員3046人のみなら
ず、第3海兵師団の地上戦闘要員1100人、航空戦闘要員1856人、
兵站戦闘要員2550人と戦闘要員の半数以上はグアムに移転するとさ
れている(米国防総省Joint Guam Program Office「沖縄からグアムお
よび北マリアナ・テニアンへの海兵隊移転の環境影響評価/海外環境影
響評価書ドラフト」2009年11月)。
グアムから沖縄及び台湾への空輸による配備時間はそれぞれ2.5時
間、3.3時間とされ、移転候補地分析の概要では「同盟及び条約上の
要件」「配備時間」「活動の自由」の3項目全てにおいてグアムが「+」
とされ最高の評価を受けているのに対し、沖縄は「配備時間」はグアム
同様「+」評価だが、「活動の自由」が「−」評価となっている(同)。
2010年の米国防総省のQDR(4年ごとの国防計画見直し、
Quadrennial Defense Review)によると、西太平洋への同盟国演習への
出発地は2014年に沖縄からグアムに変わり、グアムを西太平洋地域
における安全保障活動のハブとすると謳っている。
このように、米軍自身、海兵隊の沖縄駐留にそれほどこだわっていな
いことが分かる。
弁護士 福 山 和 人
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