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福山弁護士の「飲み法題」

 

米海兵隊は「抑止力」か(その8)

◆中国の「脅威」について@  中国は、2000年以降、毎年10%前後という驚異的な実質経済 成長率(GDP成長率)を保持しており、これは日本の高度経済成長期に 匹敵する成長率である。  国防費についても、中国政府が公表している限りで1988年以降 21年連続して国防費を10%以上増額させており、2009年の国 防費は4729元(1元=15円として7兆930億円)にも達して いる。  加えて、中国の軍艦等が近年、沖縄や沖の鳥島、尖閣諸島周辺で活 動していることが確認されている。  こうした動向を警戒し、2005年12月8日、民主党の前原誠司 代表(当時)は、ワシントンの米戦略国際問題研究所で、「中国の軍 事力の増強と近代化は現実的脅威だ」と発言した。  また前記の防衛省「在日米軍及び海兵隊の意義・役割について」も、 中国の国防費の伸びを指摘した上で、「海兵隊をはじめとする米軍が 駐留していることは我が国及びアジア太平洋地域の平和と安定に大き く寄与」していると結論づけている。  しかし、平和・安全保障研究所理事長の西原正元防衛大学校校長と 神谷万丈防衛大学校教授を中心とするグループが研究・作成した報告 書「日本にとっての米軍グアム基地再編−再編への積極的関与を」は、 「複数の軍事専門家が述べるように、中台紛争に実際に海兵隊を台湾 に投入する可能性は元来低い」「尖閣諸島、東シナ海、沖の鳥島周辺 等で万一日中が衝突した場合でも、その規模は限定的と考えられるた め、米国の対日支援に必要な兵員数は元来さほど多くない」と指摘し ている。  米国も「中国の脅威」についてはこれを否定し、国務省のドノバン 次官補代理は、2010年3月17日の下院外交委員会アジア太平洋・ 地球環境小委員会の日米関係に関する公聴会で、「日本が中国をはじ め近隣諸国との関係を改善することは米国として歓迎する」「中国は 日本への脅威ではない」と明言した(産経新聞3月19日付)。  弁護士 福 山 和 人


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