- ホーム >
黒澤弁護士の"知ってますか"
<トップページへ>
借金があると生活保護は受けられないのか?
最近の相談で、借金を抱えているから生活保護を受けられないと思いこんでおられる方
がいらっしゃいましたので、今回は、この点について触れたいと思います。
結論から言えば、借金があっても生活保護は利用できます。
生活保護を利用するためには、世帯の収入が最低生活費を下回っているかどうかという
基準で判断されるので、借金の有無は生活保護を受ける要件とされていないからです。生
活保護の申請受付窓口である福祉事務所も負債が存在することを理由に保護の申請を拒否
することはありません。
ただし、生活保護を利用できても、借金が免除されたり、返済金が保護費から支給され
ることは有りません。福祉事務所のスタンスも、あくまでも支給される保護費は、最低生
活を維持するためのものであり、借金の返済に充てるためのものではないということにな
ります。
負債の問題を根本的に解決するためには生活保護の申請手続と並行して、債務整理、自
己破産等の手続を行い負債を整理していくことが必要となります。生活保護を申請される
方の中には多額の負債を抱えた方もいらっしゃいます。福祉事務所の担当者には負債の存
在についても正直に話をしてもらった方がよいでしょう。負債の関係について弁護士が受
任をしていることが伝われば、生活保護の申請手続も比較的スムーズに進むケースが多い
ように思われます。
弁護士 黒 澤 誠 司
<トップページへ>