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犯罪被害にあった場合の国による補償
今回は、犯罪被害者に対する国による補償の制度について考えてみたいと思います。
1.犯罪被害者に対する補償の法律としては、「犯罪被害者等給付金の支給等に関する法
律」があります。1974年の三菱重工ビル爆破事件を契機に1980年に制定されまし
た。しかし、支給基準が厳しいことなどから2001年に「犯罪被害者等給付金支給法の
一部を改正する法律」が制定され、一定の改善がなされました。
2.支給基準
・日本国内で行われた犯罪について、人の生命又は身体を害する罪であって、故意犯に限
定される。
・死亡・障害及び重傷病の場合に支給がなされます。
・給付金の額は、犯罪を受けた際の被害者の収入、障害の程度により、以下のように定め
られています。
遺族給付金 最低320万円〜最高1573万円
障害給付金 最高1849万円
重傷病給付金 最高19万円
・以下の場合は支給がなされないか減額されることがあります。
@被害者と加害者の間に親族関係がある場合
A被害者が犯罪を誘発する等、被害者にも責任がある場合
B被害者が労災保険等により損害の填補を受けている場合
3.手続
都道府県公安委員会に申請をして裁定を受ける必要があります。
4.まとめ
窃盗・詐欺といった財産犯・交通事故など過失犯による被害については、支給の対象外で
すが、上記基準を満たすと考えられる場合は、一度弁護士に相談してみると良いでしょう。
特に犯罪被害者等給付金の支給を受ける権利は、2年間行わないときは、時効により消滅
することとされていますので、注意が必要です。
弁護士 黒 澤 誠 司
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