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自転車と道路交通法
夜、無灯火で右側車線を滑走している自転車、時々見ますね。車を運転しているとホン
ト危ない。「バカやろー!!」と思わず怒鳴りたくなってしまいますよね。右側を走って
くる車両があるなんて想定外ですし、正直見えませんから、行き過ぎてから、「ああ、衝
突しなくてよかった」なんてこと、経験されたことはないでしょうか。
自転車の場合、右側を走ってもいいんだ、と思っている人、意外と多いのかもしれませ
ん。ところがどっこい、自転車も、道路交通法上は、「車両」ですので、いろんな交通規
制には守らないといけないのです。小学校などでもこの辺の教育は徹底してもらいたいと
思うのですが、少なくとも昭和40〜50年頃には、学校で自転車の乗り方講習のような
ものがあったのに今はほとんど聞きません。成績も大事ですけど、まず身の安全を守るこ
とを教えることも重要だと思うんですが、どうなんでしょうか。
まぁ、車両といっても、「足踏み式」ですので、歩行者に近いという側面はあり、車と
全く一緒というわけにはいきませんが、とりあえず、何の表示もない「歩道」は自転車は
走ってはいけません。中立売通(堀川と千本の間)では、わざわざ、「中立売通の歩道を
自転車は走ってはいけません」という標識が立てられています。平気で自転車は走ってま
すけどね。
では、自転車に対しても、どんな規制があるのでしょうか。主なものをあげてみます。
@ 右側通行
自動車だけでなく自転車も左側通行が義務づけられており、右側通行は違反です(道路
交通法第17条第4項)。
罰則⇒3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金
A 無灯火
無灯火の自転車は相手からは大変見にくく、相手から見落とされる危険があります。雨
の日などはなおさらです。とりわけ自転車のライトは相手に自車を早く発見してもらうた
めに点灯するものです。夜間は必ずライトをつけて走行しなければなりません(道路交通
法第52条第1項)。
ついでに、トンネル内での自動車の無灯火も危険なのでやめましょう。運転しているも
のから周りは見えても、周りからその自動車は非常に見にくいものです。ライトを付ける
のは、自分の位置を周りの人に示す行為であることを肝に銘じるべきです。
罰則⇒5万円以下の罰金
B 一時不停止
「一時停止」の標識や標示のある場所では、自転車も一時停止が義務づけられています。
自転車であっても、確実に一時停止して左右の安全確認をしなければなりません(道路交
通法第43条)。
罰則⇒3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金
C 信号無視
とりわけ小さな交差点では、信号無視をする自転車をよく見かけます。信号無視は非常
に危険な行為ですから、自動車はもちろん、自転車も人も必ず信号を守らなくてはなりま
せん(道路交通法第7条)。走行車両にブレーキを踏ませる信号無視はホント悪質です。
罰則⇒3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金
D 飲酒運転
道路交通法では、「何人も酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と定めています。
自転車も「車両」に含まれていますから、飲酒運転は当然違反となります。罰則も他の
違反に比べて非常に重いですので、注意してください(道路交通法第65条第1項)。
罰則⇒ 「酒酔い運転」3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
「酒気帯び運転」1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
6 並列進行
並列進行は他車や歩行者の通行の妨げとなるだけでなく、自転車同士が接触して転倒す
るという危険もあります。「並進可」の標識がある道路以外での並進は禁止されています
(道路交通法第19条)。
罰則⇒2万円以下の罰金又は科料
ざっと見ただけでも、この程度の規制があります。
自転車でも、検挙されかねませんので、やっぱり、道路交通法は守りましょう。自分自
身の身の安全のためですから。
弁護士 岡 根 竜 介
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