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山登り雑感(1合目)
今年(2006年)の夏は、梅雨がなかなか空けず、本格的な夏が訪れる前に秋が来そ
うな気配もあります。それでも、「暑っーーーー」という日も多く、避暑を求めて下呂温
泉に行ったら、その日に限って岐阜の各市で観測史上最高気温を記録という日にぶち当た
ってしまいました。ため息が出そうです。でも、さすがに京都と違い、夜は涼しかったで
すよ。
そんな中、各地で熱中症で倒れる人のニュースをよく耳にしました。結構鍛えている人
でも、油断をすると熱中症にかかってしまうこともあるようですし、気温が24度くらい
でも、激しい運動をしたような場合には、注意しないといけないようです。我慢しすぎに
は要注意です。
私も、趣味の一つとして、時々山登りをしています。山登りの場合、高い山では、気温
は低めですので、熱中症は聞きません(脱水症状で倒れた人は間近に見ましたが・・・)。
涼を求めて、高地に行くわけですから、涼しくないと困りますよね。
ただ、注意しないといけないのは、気温が低いので、夏山でも凍死という危険があるこ
とです。零下にもならないのに何で凍死なんか、と思われそうですが、気温15〜6度で
も凍死は起こります。
長時間歩いていると、エネルギーを消耗します。エネルギーが切れてしまうと、体の中
で熱を作り出すことができなくなってしまいます。そうすると、体温が低下して、生命を
維持することができなくなってしまうのです。
ですので、夏山でも、保温性に優れたアンダーウェアを着用しておく必要があります。
そうでないと、限界に近づいたとき、生死を分けることにもなります。
ツアーの山登りには参加したことがないのでわかりませんが、ツアーを企画する会社で
は、その辺の広報をきちんとしているのでしょうか。上着はともかく、綿の下着なんて、
とんでもない話です。
中高年の山登りブームにあやかってたくさんツアーがあります。ほとんど始めて、と言
うような人も連れていくわけですから、当然事故も起こります。
気軽に、何歳からでも始められる山登りですが、何が起こるかわからないのが自然です。
慣れていると思っていても油断は禁物です。ですので、やっぱり、自分の命は自分で守れ
るだけの準備はしておく必要があります。そうしないと、楽しめないですよね。(ザイル
パートナーって、信頼しあっているなんて思われがちですが、実は、相手のミスで自分ま
で巻き込まれるのだけはごめんだ、とお互い思っているものです。逆に、相手に何があろ
うと自分だけは生きて帰れると言うくらいでないと、自分のミスで相手まで巻き込むこと
にもなってしまうのですが・・)
安全教育を全く受けていないプール監視員のアルバイトで、「安全」を「確保」しよう
とするような時代ですから、ツアーの山登りだから安全だなんて言ってられません。山登
りのツアーに参加する場合でも、いざというときは、自分ひとりでも下山できるようにし
ておかないと、自称ベテラン(山登りの世界には結構多いようです)のガイドにとんでも
ない目に遭わされるかも知れません。
弁護士 岡 根 竜 介
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