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布川事件 再審開始決定!!!
12月15日、最高裁から再審開始の決定をした高裁の判断を支持す
るという通知が届いた、との一報を受けた。ちょうど、日野町事件とい
う強盗殺人事件の弁護団会議を行っているそのときだった。
再審請求人である桜井さんとは、先月、日野町事件の家族を励ます会
で一緒に飲み交わしてもいたこともあり、ようやく無罪への道が開ける
とホッとされているんだろうなと自分のことのように嬉しくなった。
ところで、最高裁が再審開始を支持するという通知を出したのは、
12月14日であり、それが15日に届いた。控訴とか上告とかと違い、
負けた方が何かをしなくてはいけない期間制限があるものでもないので、
普通郵便で送られるみたいだ。なんか不思議な気がする。それだけ日本
の郵便事情は安全なのだろう。
この事件、検察官が40年もの間無罪につながる証拠を隠し続けてい
たり、何カ所も継ぎ接ぎをした録音テープを証拠として提出するなど、
公益の代表であるはずの検察官の悪行がわんさかある。
私が修習生だった頃、うちのクラスの検察教官は、「検察官が最初に
無実の人を救える立場にある。だから、検察官になった」と述べておら
れたが、布川事件を担当した検察官は、まったく正反対の行動を繰り返
していたことになる。許し難いことだ。
足利事件、布川事件とこの間再び開かずの扉と化しているかに思えた
「再審」に光が差してきた。
日野町事件も、証拠を見る裁判官が、証拠の前に謙虚になりさえすれ
ば、自ずと、阪原さんが犯人ではないという結論になるところまでの証
拠は出そろっている。矛盾だらけの「自白」(捜査官の作文)、客観的な
証拠が残っている部分ではその証拠とことごとく食い違う「自白」。
無理に無理を重ねて「こういう可能性もある」とわずかの可能性に何
カ所も頼った大津地裁の決定(再審請求を棄却)は、結論先にありきであ
り、説得力の欠片もない。それこそ有罪慣れした裁判官ではなく、裁判
員なら無罪の心証を抱くことだろう。
来年こそは、司法への信頼を取り戻す真っ当な判断(大津地裁決定を
破棄)を勝ち取るという決意を新たにさせていただいた、布川の再審開
始決定だった。
弁護士 岡 根 竜 介
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