- ホーム >
弁護士との相性
今回のお話は、弁護士と依頼者・相談者との関係です。
「あの先生はどうも頼りない」とか、「あの先生は、厳しいことばかり言われる」とか
「大丈夫だから任せなさいと言っていたのに負けてしまった」等、弁護士に対するいろい
ろな評価をお聞きします。
弁護士も人間ですので、その人の性格、考え方は独自のものがあります。したがって、
自分にあった性格なり考え方の弁護士に依頼をされることは、裁判の結果如何に関わらず
大切なことです。
そこで、少し弁護士の考え方や性格的な傾向を私なりに解説しておきたいと思います。
・慎重型弁護士
じっくり話を聞き、一つ一つの事実を積み上げながら、どういう対応が一番いいの
かをゆっくりと自分の中で考えていくタイプ。
その場での即答や瞬時の対応をすることは、かえって失敗が多いと考えているか、
もしくはそうした対応は苦手なタイプ。
一方で、じっくり対応することで、依頼者・相談者の話をよく聞いて事情を把握す
ることを重視することが多く、しっかり話を聞いてもらえたという充実感は与えられ
ることが多い。
・裁判官型弁護士
事案の把握をして、裁判官ならどう対応するかを念頭に置いて、その判断に必要な
事項を追求し、それに対する客観的な評価を中心に説明を行うタイプ。
それゆえに、相談者・依頼者は尋問ないし問い詰められているような気持ちに陥り
やすい。
一方で、その判断や見立ては、かなり正確なものが多く、方向性やそのための対応
についての的確性には見るものがあることが多い。
・任せておきなさい型弁護士
相談の内容を聞いていく中で、相談者の気持ちをよくとらえ、期待する解決方向を
指し示し、大丈夫頑張ってやりましょうと言って請け負うタイプ。
相談者・依頼者としては、救いの神が現れたように思える。
一方で、話を十分に聞くことなく仕事を進め、気がついたときには思っても見ない
進行になっていることもある。
典型的なタイプに整理をしてみましたが、こうした要素がそれぞれ混じり合った弁護
士が多いと言うこともご理解ください。
どのタイプの弁護士も一長一短があります。
しかしながら、自分の性格・求めるものを念頭に置いて、できるだけ自分と相性がよ
い弁護士に依頼相談することも大切です。
最後に、いずれにせよ、打ち合わせの申し入れをしても打ち合わせが入らない、連絡
を取ってほしいと言っても連絡が入らない、費用について具体的 な内容の説明がない
等という場合には、「相性」以前の問題とお考えいただき、慎重な弁護士依頼をされる
ことが大切であることを申し添えておきます。
弁護士 佐 藤 克 昭

<トップページへ>