Q.住宅ローンの返済が難しくなりました。住宅を手放さずに債務を処理する方法はありますか?
A.平成13年4月に、民事再生法の特則として個人債務者再生手続が施行され、その中で住宅ローンに関する特則が制度化されました。
この制度は、ローン支払の期限を猶予することが目的です。つまり、支払を怠ったために期限の利益を失ったり、支払を怠ってはいないが困難な場合に、
① 期限の利益喪失をなかったことにし、あるいは、
② 期限の利益を失わないように支払計画を立て直すこと
などが可能になります。
これにより、債務者は自宅を手放すことなく、債務を返済することができるようになります。
この制度を用いるには、個人である債務者が当該住宅を所有し、かつ居住していること、債務者の資力・年齢等から再生計画の立案・遂行が可能であること等の要件が必要です。
債権者の同意は不要ですが、債権者との事前協議が必要です。
適用が認められれば、最大10年、70歳まで住宅ローンの支払期間を延長することができます。
ただ、あくまで期限の猶予が目的なので、元本、利息及び遅延損害金のカットはなく、全額弁済が前提となります。
保証人が保証債務を履行し終えている場合や、住宅上に他の借入に関する抵当権がある場合など、適用除外となる場合もあるので、詳しくは弁護士に相談してください。