Q.隣の身寄りのないおばあさんと親しくしてきました。
ある日、脳出血で倒れたので救急車を呼び、病院でも付きっきりで看病しましたが亡くなりました。葬式一切も私の手配で済ませることができましたが、おばあさんは生前、誰も身寄りがないから、もしもの時は家はあんたにあげると口癖のように言っていました。おばあさんの気持ちを汲んで家を私のものにできるでしょうか。
A.おばあさんが日頃言っていたことを遺言書にしていたら、その遺言書に基づいて家をあなたの名義にすることはできます。
この遺言書の作成方法は法律に厳格に定められていますから、公正証書にしてあればよいのですが、自分で作ったものであれば、遺言書を発見した場合には速やかに家庭裁判所に提出して検認の手続を行い、封印のある遺言書であれば裁判所で開封する必要があります。
遺言書がないときは、おばあさんに身寄りがない場合には、相続人不存在の手続に入ります。これは、あなたから家庭裁判所に対して相続財産管理人の選任を求める手続きをすることによって開始します。
相続財産管理人は家庭裁判所の監督のもとで、相続人を捜索し、亡くなったおばあさんに対する債権者に対して請求申出を求めるなどの手続きをとり、相続財産の精算の手続をすすめます。
そして、家庭裁判所による最後の相続人捜索の公告期間が満了してから3ヵ月以内にあなたが家庭裁判所に対して特別縁故者として財産の分与の請求をすれば、家庭裁判所の審判により、あなたに対しておばあさんの遺産が分与されることになります。