1. 未成年者の取引
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未成年者の取引

A.民法は、満20年をもって成年とし(3条)、これに満たない者を未成年者とし、年齢的未成熟によってある程度の判断能力を持っていない未成年者を保護するため一定の定めをしています。

  何歳をもって成年とするかは国によって異なり、日本でも最近、若い人の中には10代でも大人以上によく物事に通じている人も見受けられ、いずれこの「満20年」は見直される時期が来るかもしれません。

  未成年者が法律行為をなすには、原則として法定代理人の同意が必要であり、同意なくしてなされた場合には取り消すことができます(4条)。

  たとえば、高校生の息子が親に内証で30万円もする英会話の教材を買ってしまった場合でも、親は販売会社に対し、契約の取り消しを言うことができます。
  また、契約をした息子本人も取り消しを言うことができます。

  ただ、息子が20歳になったのち、代金の一部でも支払ったり、親が息子に代わって代金支払いをすれば、もはや契約を取り消すことができなくなると考えられますので、注意してください。

  なお、未成年者でも、男は満18歳に、女は満16歳になると、父母の同意があれば結婚することができます(民法731・737条)が、未成年者が結婚した時は、それによって新たな経済単位の担当者になるということで、満20歳未満であっても成年に達したとみなされ、親の同意なしで取引をすることができます。