Q.私の家は路地の奥にあり、本道から私の家は私道を通らなければなりません。私道の所有者は私のお隣の家です。最近、市の下水道設備が整ってきて私の家も水洗便所にしようと思います。
ところが、下水菅の通った本道から私の家に下水管を通すにはお隣の承諾が必要なのですが、お隣は承諾してくれません。どうしたらよいのでしょうか。
A.他人の敷地を通って下水道施設の工事をするためには市の指導により、その敷地の所有者の承諾が必要になります。
ところが、しばしば本件のように所有者の承諾が得られない場合があります。
今日の状況から言えば、下水設備は生活に必要不可欠なものですから、承諾しないということは不当なことと言うほかありません。
あなたの場合、私道を利用する権利、地役権というものがありますから、下水設備の範囲で利用できると考えられます。
また、下水道法にはこのような場合の地主の受忍義務を定めていて、土地所有者は承諾する義務があります。
もっとも、いくら地主に義務があるからといっても地主が承諾しなければ何にもなりません。
この場合には、下水道工事妨害禁止の仮処分を申し立て、裁判所により妨害禁止の決定を受けた上で、役所にそれを持参し、工事を進めるという方法があります。
ただ、どんな内容の決定であれ工事を行うかについては、事前に役所に打ち合わせておくのがよいでしょう。