Ｑ．壁の修繕をしたいのですが、隣の家とは隣接しているため、工事をするのに隣家の敷地に立ち入らざるを得ません。ところが、隣人は、立入を拒否しています。どうすれば工事ができるでしょうか。
Ａ．隣地との境界線近くで建築工事をするような場合、足場などを築く必要があり、隣地を使用せざるを得ない場合があります。
その場合、民法２０９条では、隣地を使用することができると定めています。隣地立入権、隣地使用権などと呼ばれています。お互いに一定の不利益までは我慢しましょうということです。
しかし、勝手に隣地に入って使用することはできませんので、隣人の承諾を求めることになります。
ところが、隣人がこの承諾をしてくれないというのですから、裁判所に承諾を求める訴えを起こす必要があります。
仮処分という手続ですと、担保としていくらか用意する必要はありますが、早期の解決が期待できることが多いと思います。
ただし、住家の中までの立入は認められません。
では、隣の屋根に登って作業をすることができるのでしょうか。
これは、できないと考えるのが一般的です。
しかし、認められたケースもありますし、上空を使用するため養生工事をする程度であれば認められるのではないかと考えられます。
ただその結果、隣地に損害が発生すれば、当然のこととはいえ、損害は賠償しなければなりません。