Q. この春に高校を卒業した息子が、先輩の経営する深夜のカラオケスナックで働くことにしたといいます。風紀はよくなさそうですし、勤務時間も不規則で、給料もいくら支払われるかはっきりしないので、やめさせたいのですが。
A.息子さんは未成年者ですから、親権者の許可を受けなければ職業を営むことができないとされています(民法823条)。
これは、未成年者は一般に未成熟ですから、その健全な成長と正当な利益を守るために、親権者は未成年者の就業を許可したり、やめさせたり、制限することができるとされたのです。
しかし、この職業許可権はあくまで未成年者の利益のためのものですから、親権者がこれを濫用することはできません。
本問の場合、深夜のカラオケスナックに勤めることが、息子さんにとって好ましいことではないというあなたの意見もよくわかります。
ただ、本人の将来に対する希望や考え方もありますから、息子さんの意見も十分に聞いたうえで、許可不許可の判断をするのがいいでしょう。
なお、親権は原則として父母が共同して行使します。
勤務時間や賃金などの労働条件もよく聞いてください。息子さんに不利な内容の場合、親権者はその労働契約を解除することができます(労働基準法58条2項)。
また、カラオケスナックは風俗営業ですから、息子さんが18歳未満の場合には禁止されている行為があります(風営法22条)ので、どのような仕事内容かも聞いておく必要があります。