Q.私の職場では、扶養手当(家族手当)が女性に対して、「世帯主」でないという理由で支給を拒否されています。
A.扶養手当は、賃金の一部ですから、もし男性(父親)には支給し、女性(母親)には支給しないという取り扱いがあるとしたら、男女同一賃金の原則を想定した労働基準法4条に明らかに違反し無効です。
裁判でも「家族手当自体の性格は性別と無関係で、受給者を夫と特定する合理的な理由はない」と判断されています。
また、「世帯主に限る」という理由は、女性を排除しているわけではない、と弁解する雇い主も少なくないかもしれません。
しかし、もともと世帯主という言葉は慣習上の呼び名であって、民法上何らの定めもなく、事実上、夫または父親を世帯主とするのが当たり前のように考えられているのは、まさに旧民法の戸主制度の名残と言えるでしょう。
したがって、世帯主でないことを理由に扶養手当を女性に支給しないことは、賃金に対する明白な男女差別です。共働きが増えつつある今、男性だけに扶養手当を出すのは現状に合わなくなっています。
夫婦で相談して、有利な手当を受給するのは当然ではないでしょうか。