1. 家の明け渡し
借地借家の相談

家の明け渡し

Q.夫が3ヵ月前に交通事故で亡くなりました。すると家主さんが「あんたに家を貸したんではないから出てくれ」と言うのです。どうやらマン
 ションに建て替えるつもりのようです。出なければならないのでしょうか。

 
A.借家人が借家を利用する権利、すなわち借家権は財産権の一種として相続の対象となります。
  
  相続人は、まず子、子がなければ親、親がなければ兄弟姉妹であり、配偶者はこれとは別に常に相続人となりますから、妻であるあなたは夫の死亡の瞬間に夫の遺産であるこの借家権を相続しているのです。
  これには何の手続も不要であり、家主の承諾も必要ありません。
  したがって、あなたはこの相続した借家権にもとづいて居住を継続できます。
 
  また、家主が借家人に明渡しを求めることができるのは、賃料未払いの滞りがないかぎり、家主がどうしても自分でその家を使用しなければならない事情など、正当理由が必要とされています。
  マンションに建て替えるという理由だけでは、この正当理由とは認められないでしょう。
  あなたは家主の申し出を断ることができます。