Q.交通事故の被害にあい、示談しましたが、後日後遺症がでました。さらに損害賠償を請求できますか。
A.交通事故について、加害者と被害者が示談する場合、通常示談書に当事者、事故の特定、示談内容(支払金額、方法、期限など)の外に、請求権の放棄条項が記載されます。
これは、民法上の和解の性質をもち、示談書に記載された内容として法律関係が確定したことになります。
したがって、いったん示談すると、原則として、被害者は後日賠償額の増額を請求できなくなります。
ですから、示談当時に既に後遺症が発生している場合には、損害額と支払方法を明記しなければなりませんし、将来、後遺症の発生が予想される場合には、示談書のなかに、将来、後遺症について請求できる旨を記載しておく必要があります。
そうでなければ、原則として、将来、後遺症が発生しても加害者に損害賠償の請求ができなくなります。
しかし、示談した当時、予想できなかった後遺症については、そもそも示談書に記載することができないのですから、示談しても、請求権の放棄条項は錯誤により無効となりますので、後日損害賠償が可能です。