Q.遺言書を書こうと思っています。ついては、私が死んだ後の老妻の面 倒をきちんとみてもらえるようにしたいのですが、何か工夫はできないでしょうか。
A.あなたにとって気がかりなことは、あなたが亡くなった後の老いた妻の面倒を誰がみてくれるだろうか、病気になった時に誰か世話をしてくれるだろうかということですね。
こうした悩みは、悩み始めたらキリがありませんが、まず最初に考えられる手だてとしては、あなたの妻にできるだけたくさんの財産を残してあげることです。
仮に全財産を相続させたとしても、いずれは子どもさんに相続されるわけですし、子どもさんとしても母親を相手に遺留分減殺の主張はしにくいものです。
こうして、金銭面での心配はなくすことはできますが、お金だけでは老後の生活は淋しいものです。
そこで、子どもさんの内の1人に対して特別に多くの財産を相続させ、その代わりに母親の扶養義務を負担してもらう、つまり生活の面倒をみたり、病気の時に世話したりしてもらう方法(負担付遺贈といいます)が考えられます。
負担付遺贈を認めるかどうかはその受遺者の自由ですが、特別に財産を受け取るわけですから、その代わりとしての母親の扶養を拒否する例は稀ではないかと思われます。