1. 遺言状の開封はどのように
遺言の相談

遺言状の開封はどのように

Q.父が死亡した後、封筒に入れられ封がされた遺言書が見つかりました。
 私が勝手に開封して遺言書を読んでもよいのでしょうか。

 
A.遺言の方式は法律で定められており、通常の場合は、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言のいずれかの方式によらなければなりませ
 ん。
  これ以外の方式の遺言は無効になります。

  この3つの遺言の方式のうち、遺言書を封に入れ封印しなければならないのは、秘密証書遺言だけですが、自筆証書遺言でも封に入れ封印し
 ておくことがあります。
  この場合、封入・封印が遺言書の要件ではありませんが、勝手に開封することは許されません。

  公正証書遺言以外のすべての遺言書は、家庭裁判所の検認手続が必要です。
  検認とは、家庭裁判所が実際に遺言書を見て、その現状を確定し、その偽造、変造を防いで、遺言書の保存を確実にするための手続です。
   
  遺言者死亡後、遺言を発見したり保管している者は、できるだけ早く、遺言書を家庭裁判所に提出して検認を受けなければなりません。

  なお、公正証書遺言は、偽造や変造のおそれがなく、保存の確実性も確かですので、検認は必要ありません。

  このように、封入・封印されている遺言書の開封は、検認手続の中で行われます。
  開封にあたっては、家庭裁判所があらかじめ期日を定めて、相続人に呼出状を送ります。
  この検認手続を怠り遺言書を開封すると、過料の制裁があります。
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