私の会社はひょっとしてブラック企業?
近年、若い労働者を酷使して使いつぶし、ときには過労死や過労自殺にまで追い込むいわゆる「ブラック企業」が横行しています。被害にあわないための対策を見ていきましょう。
あなたの会社はだいじょうぶ?-ブラック企業の見分け方
ブラック企業にはいくつかの特徴があります。
①労働条件の偽装
求人票などに高額の初任給が記載されていても長時間の残業代込みであったり、正社員と言いつつ長期間の試用期間をクリアしないと正採用にならないなど、労働条件を正確に記載せず偽装されていることが多い。
②大量採用・大量退職
毎年大量の新入社員を採用するが、1~2年で大量に辞めていくため、離職率が異常に高く、また常に求人を行っている。
③入社研修の異常
合宿と称して外部と遮断し睡眠もとらせずに罵詈雑言を浴びせて洗脳教育を行う、街頭などで業務と無関係なパフォーマンスを強要するなど、研修が異常。
④過度な競争主義
きびしいノルマを課され成績でふるいにかけられる、達成可能な目標を設定すると「やる気がない」と叱責され、否応なしに過酷な労働を強いられていく。
⑤パワハラ・いじめ
上司の暴力、人格否定・名誉毀損などの暴言、無意味な作業の強要、遂行不可能な業務の強要、村八分、見せしめ的な降格や配転など、役に立たないと判断された労働者に対して辞めさせるための意図的なパワハラが続けられる。
⑥長時間のサービス残業
過労死基準とされる月80時間を上回る長時間のサービス残業を強いられる。「○○手当」などの名目で給与に長時間の残業代が込みになっている場合もある。
⑦辞めさせない
労働者が過酷な勤務に耐えられずに退職を申し出ても、「お前を一人前にするのにかかった費用を返すまでは辞めさせない」等と言って辞めさせず酷使する。
身を守るために-ブラック企業とのたたかい方
①自分を責めないこと
過酷な労働から逃れられなくなる理由に、研修等を通じて、会社の要求に応えられないのは自分が弱いから等と盲信させられる点があります。命や健康と引き換えにすべき仕事などありません。自分を責める思考から脱却することが大事です。
②辞める
ブラック企業の多くが一部上場などの有名企業であるため、大企業に入れたのにもったいないと周囲が言うこともあります。辞めてほかに再就職できるかという不安もあるでしょう。しかし、心身を損ねては元も子もありません。
辞めることは決して後ろ向きの判断ではなく、人生を全うするための前向きな決断なのです。
③学ぶ
労働者の権利について知ることも大事です。たとえば、業務のための研修費用を会社が労働者に請求することは認められず、他方、労働者には退職の自由があります。従って「辞めさせない」事案は明らかに違法です。
④早期に専門家に相談する
自分の会社がブラック企業ではないかと思ったら、一刻も早く弁護士や労働基準監督署、労働委員会などの専門機関にご相談ください。労働組合などが行う労働相談に行くのもよいと思います。悩みや不安を1人で抱えずに周囲を頼ってください。