人の死は悲しい出来事です。
しかも、残された遺族は、葬儀のこと、お墓のことなど様々なことに対応しなければなりません。故人の財産の相続もそうした一つです。あまり知られていませんが、法律事務所への相談でもっとも多いのは、家族・親族間の紛争です。高齢化社会といわれている今、相続の制度を理解しておくことは必須となっています。
相続人は誰?
遺言書がない場合、誰が相続人となるかについては、法律で決められています。配偶者は常に相続人となり、子どもがいるときは子も相続人となります。
子どもがいないときは親(直系尊属)が相続人となります。子どもも親もいないときには兄弟姉妹が相続人となります。
相続人が誰かということを調べることは、一見簡単なように思えますが、現実には、亡くなった方(「被相続人」)の出生から死亡時までの戸籍をすべて取り寄せて確認することが必要ですので、意外と手間がかかります。
どんな財産が相続されるの?
相続の対象となるのは、被相続人のすべての財産です。
預貯金、不動産、株式など、どのような形で存在していてもかまいません。
注意しなければならないのは、マイナスの財産(いわゆる借金)も相続の対象となるということです。
相続では、プラスの財産だけ相続して、借金だけは相続しないということは認められていませんので、被相続人に借金がある場合、相続をするかどうかは重要な判断となります。
ほかに注意しなければならないのは、生命保険金です。
生命保険金については、保険契約で受取人が指定されているか否かなどで、相続財産となるのか否かが異なってきます。
たとえば、多額の負債を抱えているが、他方で生命保険金が支払われるという場合、どのような保険契約となっているかが非常に重要となってきます。