相続税がかからない場合もあるの?
意外と知られていませんが、現在の税制度では9割以上の人は相続税がかかりません。
相続税には一定額まで控除される制度があるからです。
この一定額のことを基礎控除額と呼んでいます。
基礎控除額は、次の計算式で計算します。
基礎控除額=3000万円+(600万円×法定相続人の数)
たとえば法定相続人の数が1人の場合、3600万円以下の相続財産しかない場合は相続税は発生しません。
同様に相続人の数が2人の場合、4200万円以下の相続財産しかない場合は相続税は発生しません。
相続税の計算方法の概略
相続税の計算方法は複雑ですし、今後法改正もあり得るので、詳細については税理士にご相談されることをお勧めしますが、概略は以下のとおりです。
①課税価格の合計額(ステップ1)
まず最初に課税価格の合計額を計算します。相続人ごとに相続税の対象となる財産である不動産、預貯金、有価証券、家財道具、死亡保険金等について、財産評価額を合計し、その額から被相続人の債務、葬儀費用などを差し引きます。
相続人ごとの課税価格=相続人ごとの取得財産の価格-債務・葬式費用等
相続人ごとの課税価格を合計したものを「課税価格の合計額」といいます。
②課税される遺産総額(ステップ2)
このステップで、課税価格の合計額が基礎控除額以下であれば、相続税はかかりません。
課税される遺産総額=課税価格の合計額-基礎控除額
③各人の仮の相続税額の計算(ステップ3)
課税される遺産総額を各相続人が法定相続分に応じて取得したものと仮定して、各相続人ごとの取得金額を計算し、これに相続税の税率をかけ、控除額を差し引いて「各相続人の仮の相続税」を算出します。
各相続人の仮の相続税額=
課税される遺産総額×各相続人の法定相続分×速算表の税率-速算表の控除額
この各相続人の仮の相続税額すべてを合計したものが相続税の総額となります。
各人が分担すべき税額の計算は、各人が現実に取得した財産の価格を前提に、さらに細かい計算を行なっていきます。