9月20日(土)、ラボール京都にて国民救援会第53回京都府本部大会に参加してきました。
大会では、この一年間の各支部の活動報告、支援事件(東住吉えん罪事件、長生園不明金事件、関西建設アスベスト京都訴訟など)の紹介、袴田事件の弁護団長である西嶋勝彦弁護士の講演等がありました。
西嶋弁護士の講演では、静岡地裁の再審開始決定により釈放された袴田巌さんの近況、再審請求の際の検察とのやりとりなどが報告されました。
袴田さんは死刑判決後40年以上もの間、いつ訪れるともしれぬ死刑執行への恐怖にさらせれていた影響か、「私は●●国の大王である」と述べたりすることがあり、西嶋弁護士によれば、死刑囚として生活する中で自らの思考を空想の世界に置き、死への恐怖からのがれようとしていたのだろうと語りました。
また、袴田さんは、刑務所に連れ戻されるかもしれないと思うのか、現在でも外出するのを拒むことが多いとのことです。
静岡地裁の再審開始決定では、裁判所が決定書の中で捜査機関の違法、不当な捜査が疑われると指摘し、「国家機関が無実の個人を陥れ、45年以上にわたり身体を拘束し続けたことになり、刑事司法の理念からは到底耐え難いことといわなければならない」として死刑の執行停止に加え拘置の執行停止も決定するという画期的判断を行いました。
西嶋弁護士は、裁判所が捜査機関による証拠偽造等の疑いを指摘し、死刑の執行停止にとどまらず拘置の執行停止を決定した点が画期的であると説明されました。
一刻も早く再審が始まり、袴田さんの名誉が回復されることを切に願います。
写真は、関西建設アスベスト京都訴訟の原告団長である寺前武夫団長の活動報告の様子です。
関西建設アスベスト京都訴訟には、当事務所から福山和人、津島理恵、大江智子が弁護団として参加し、当事務所は弁護団事務局を担っています。