1. 集団的自衛権についての権力者の”嘘” ~ その11
小笠原弁護士の“知っ得”

集団的自衛権についての権力者の”嘘” ~ その11

  安倍内閣は、今回の閣議決定は、憲法解釈の変更ではない、解釈の整理に過ぎない、基本的な考え方は変わっていない、表現もほとんど変わっていない、という丸わかりの嘘をつき続けますから、見ててくださいね、と書きました。

 
 その第一弾というか、内閣官房のホームページに、今回の閣議決定についての一問一答が掲載されました。

 一問一答形式による、国民に対する公式の説明と言うことでしょうね。

  その中の問4、なぜ憲法改正しないのか、との問いを立てて回答しているのは次のとおりです。
    
       
 「今回の閣議決定は、国の存立を全うし、国民の命と平和な暮らしを守るために必要最小限の自衛の措置をするという政府の憲法解釈の基本的考え方、何ら変えるものではありません。必ずしも憲法を改正する必要はありません」

  政府の憲法解釈を「変えた」から、これまで、憲法9条の下では行使できないとする立場だったのが、これからは憲法9条の下でも行使できるとする立場に変わったわけですよね。

  前に書いた例でいうと、これまで暴走を繰り返して他人に被害を与えてきた運転経歴から、原付しか運転できないと決まりを定められて縛られてきたのが、四輪車ではなくて二輪車ならいいという「基本的な考え方」から、これからは1200ccのバイクも二輪車だから運転できる、交通環境事情の変化に過ぎず、二輪車は運転できるというこれまでの考えは変わりません、決まりは変えなくてもいいと言うことです。

 
 権力者の嘘、わかりますよね。

            弁護士 小笠原 伸児