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特定住宅瑕疵担保責任履行確保法 その2
みなさん、前回は、建物建設工事の請負業者や建物の売主が負担する民法上
の瑕疵担保責任についてお話ししました。
今回は、2000年(平成12年)に施行された「住宅の品質確保の促進等に関す
る法律」(住宅品質確保法)上の瑕疵担保責任についてお話しすることにしま
す。
■ 住宅品質確保法の趣旨と意義
前回お話ししたように、民法上の瑕疵担保責任の規定はいわゆる「任意規定」
であって、実際の個別の契約では、民法の規定と異なる内容を締結することが
できますし、実態は「引渡しから1〜2年」というのが相場になっています。
しかし、住宅の欠陥は、住んでからでなければわからないことも多く、気が
ついた時にはすでに瑕疵担保責任の期間を過ぎてしまっていたということもよ
くある話でした。これでは、いくら売主や請負業者に瑕疵担保責任があるとい
っても、新築住宅の買主や発注者を保護することは不十分でした。
そこで、新築住宅の買主や発注者の保護をはかるために、瑕疵担保責任の特
例(その他にも住宅性能表示制度の創設や住宅に係る紛争処理体制の整備)を
定めた住宅品質確保法が制定されたのです。
■ 住宅品質確保法上の瑕疵担保責任の内容
住宅品質確保法の対象とされているのは新築住宅の基本構造部分です。
ですから、中古住宅は対象になっていませんし、新築住宅でも基本構造部分
だけです。
基本構造部分とは、構造耐力上主要な部分(基礎とか土台とか床とか壁とか
柱とか斜材とか小屋組とか屋根とか横架材等)と雨水の浸入を防止する部分
(屋根とか外壁とか開口部等)です。
また、瑕疵担保責任の具体的内容は、請負業者については民法と同じ、瑕疵
修補請求や損害賠償ですが、売主については、損害賠償請求や契約解除のほか
、瑕疵修補請求も含まれることになりました。
■ 住宅品質確保法上の瑕疵担保責任の期間
住宅品質確保法は、新築住宅の基本構造部分についてだけは、その他の部分
とは区別して、瑕疵担保責任の期間を引渡しから10年間と定めました。そして、
この期間は当事者間の契約によっても短縮することができないとして、売主や
請負業者の責任を重くするとともに買主や発注者の保護を厚くしたのです。
また、当事者間の契約により、基本構造部分以外の部分を含め、引渡しから
20年まで、瑕疵担保責任の期間を伸長することも可能となりました。
もっとも、新築住宅の買主が瑕疵担保責任の期間内に瑕疵の存在を知った時
は、その時から1年以内に制限されている点は民法と同じです。
弁護士 小 笠 原 伸 児

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