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「天引きグドウィルを提訴」
(朝日新聞8月24日付朝刊外)
8月24日の各紙は、日雇い派遣大手の人材派遣会社グッドウィルが、給料から不透明
な天引きをしていた問題で、派遣労働者26人が過去の天引き分の全額返還を求める集団
訴訟を東京地方裁判所に提訴したことを報じています。
グッドウィルは、親会社が介護事業会社「コムスン」の問題を抱えている会社ですが、
約278万人が日雇い派遣の登録をしているそうです。
問題になっているのは、グッドウィルが派遣1回あたり200円を「データ装備費」と
して今年の4月まで天引きをしていた点です。
グッドウィル側は、派遣労働者がケガをしたり、物損事故を起こしたりした際の保険の
保険料であると説明したり、強制ではなく任意だったと説明していたそうです。
しかし、上記報道によれば、「任意と説明したことは一度もない。100%徴収するよ
う会社から指示されていた」(元支店長)、「天引きの理由を尋ねると『納得できないな
ら、給料はお支払いできません』と突き放される」(元派遣スタッフ)という実態があっ
たということです。
要は悪質なピンハネでしょう。
このグッドウィルの問題は、天引きによる違法なピンハネもそうですが、日雇い派遣と
いう制度、そして、登録型の一般派遣という制度がもっている構造的な問題点を明らかに
しているように思われます。労働の分野でこの間進行した派遣労働の規制緩和が生み出し
た歪みを象徴しています。
弁護士 高 山 利 夫

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