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高山弁護士のニュース時評

 

裁判員制度を考えるN〜裁判員裁判体験記6

今まで京都を含め各地で行われている裁判員裁判は、ほとんどが起訴 された事実に争いがない事件です。これから死刑が求刑されるような事 件や起訴された事実が深刻に争われる事件の審理も行われるでしょう。 ごく普通の市民が死刑の言渡しに関与することの当否、死刑制度そのも のの問題点も議論の遡上にのぼるはずです。  また、事実関係が深刻に争われる事件では、十分な防御の機会が時間 的にも、主張、立証の点でも保障されるかどうかが重要です。わかりや すさや審理日程の都合で防御権が制約されてはならないことは当然です。 昨年、民主党を中心とした連立政権が誕生しましたが、民主党は、マ ニュフェストで、「えん罪を防止するために、取調べを全面的に可視化 (録音、録画)すると謳いました。ぜひすぐに実行してもらいたいと思 います。 さらに、裁判員法は、施行後3年後の見直しを定めています。厳格な 守秘義務を裁判員に負わせたまま、必要で有効な見直しができるのでし ょうか。 裁判員制度の眼目の1つは、国民の常識を裁判に反映することにあり ますが、制度そのもののあり方も市民の目であらためて検証される必要 があります。  市民のみなさんが裁判員裁判とその制度のあり方に今後とも関心をも っていただくことをお願いします。                       弁護士 高 山 利 夫 No.44:裁判員制度を考えるM〜裁判員裁判体験記5
No.43:裁判員制度を考えるL〜裁判員裁判体験記4
No.42:裁判員制度を考えるK〜裁判員裁判体験記3
No.41:裁判員制度を考えるJ〜裁判員裁判体験記2
No.40:裁判員制度を考えるI〜裁判員裁判体験記1
No.39:裁判員制度を考えるH
No.38:裁判員制度を考えるG
No.37:裁判員制度を考えるF
No.36:裁判員制度を考えるE
No.35:裁判員制度を考えるD
No.34:裁判員制度を考えるC
No.33:裁判員制度を考えるB
No.32:裁判員制度を考えるA
No.31:裁判員制度を考える@
No.30:裁判員開始まで半年、幹部検事から事務官まで「全員が広報官」
No.29:「残業代」38億円、過去5年で最多、京都市07年度
No.28:裁判員候補、29万人 最高裁 通知は11〜12月
No.27:「府職員の体験入隊検討」橋本知事
No.26:マクド店長に残業代
No.25:「社会が縮こまっていいか」
No.24:「代用監獄制度 必要性もある−橋下知事−」
No.23:「同房者通じ不当捜査」殺人・放火無罪判決−福岡地裁支部
No.22:「取り調べに監督基準−冤罪事件受け警察庁が指針」
No.21:元旦各紙の社説から
No.20:「テロ法案きょう衆院通過、特別委可決、再議決が焦点に」−「新テロ法案、衆院通過」−
No.19:富山冤罪再審「柳原さん無罪確定」
No.18:給油継続できねば退陣−テロ特措法「首相職を賭す」
No.17:「天引きグドウィルを提訴」
No.16:「防衛相辞任 原爆投下から目そらすな」
No.15:「全国民が調査対象」、自衛隊情報収集で防衛相
No.14:『集団的自衛権、米、行使容認迫る「弾道ミサイル迎撃を」防衛相会議』
  No.13:憲法改正国民投票法案の衆議院通過
No.12:鹿児島公選法違反、12人全員無罪確定へ
No.11:「尼崎市で偽装請負」
No.10:「改憲こそ…首相声高」
No.9:「国民投票法案骨格固まる」
No.8:『国民投票法案、「18歳以上」で調整』
No.7:「人権救済制度 修正・凍結相次ぐ」
No.6: 消費者金融5社、自殺の保険金3600件受領(05年度)「命担保」浮き彫り
No.5: 請負会社に大量出向ー「偽装請負」
No.4: 厚労省、中間報告を見送りー労働契約法・労働時間法制見直しー
No.3:『イラク陸自撤退決定−月内開始、8月完了』
No.2:「共謀罪」
No.1:「代用監獄」